（白猫のダンナはあとで地下酒場に行くっていってたぞ。折角だし、飯でも食ってこいよ）













（ニコルは・・・・・まだ来てないか）
















「いらっしゃい！何にします？お酒は今種類がこれと・・」


「あ、いや・・酒はいいよ。ここで待ち合わせしてて・・・・・・えっと、じゃぁアニスのお茶と胡桃を」


「はい！・・・・・ぁ」
















「お兄さん、楽器弾きさん？」

「いや、アオイドスだよ。」

「ああ、ウタウタイさん」

「・・・うたうたい？」

「ここいらじゃアオイドスをウタウタイというんですよ。響きがいいでしょう？」

「・・・へぇ」

















「はい！おまちどうさま！」


「・・・あれ、焼き菓子は頼んでないけど？」



「あはは、これはうちのおかみさんからです。あとで食事も持ってきます、特製のピガントとパンを。」

「・・・・・・実はウタウタイさんに、唄を頼めないかって。」





「え・・・唄って・・・」





「いやほら、うち、華がないでしょう？・・前にいた踊り子さんがやめてしまって」

「・・・・それで、ここに滞在してる間だけ、頼めないかっておかみさんが・・・・・・・・駄目、ですか？その間の食事と、勿論お金も出します。」



















「それは有難いけど・・・俺でいいのかな？実はすごい下手かもしれないよ？」


「ふふふ、実はねおかみさん、お兄さんの唄を聴いたことがあるんだって。だから是非って言ってましたよ？」


「・・・・・・・・・・・わかったよ。でもあまり期待はしないでくれ・・・・・・・・隅、借りるよ」